ロービジョンケアとは

ロービジョンケア

視覚障害によって日常生活・社会生活を不自由に感じている方への支援のことをいいます。ここでいう視覚障害には、単に視力低下だけを意味せず、視野障害、色覚異常、明・暗順応障害なども含まれ、低視覚の方を対象としています。

またロービジョンとは、器質的な眼疾患によって見えにくい、まぶしい、見える範囲が狭い・欠けるなどの眼症状を有し、現在の医療では改善が見込めない状態にあって、読み書きや歩行などの移動などが困難な場合を言います。ロービジョンケアは、このような視覚障害のある方のQOL(Quality of Life:生活の質)の低下を防ぐと共に向上を目指していくことを言い、医療的な視覚リハビリテーションだけでなく、行政・社会的支援も含まれるなど、医療と福祉の両面が関係しています。

ロービジョンを招く主な疾患

緑内障、糖尿病網膜症、網膜色素変性症、加齢黄斑変性 など

視覚リハビリテーションとは

視覚リハビリテーションでは、補助具の使用、歩行訓練、日常生活の訓練などを行い、その内容は多岐に渡りますが、それぞれの患者さんに合う方法で行っていきます。例えば視力低下が原因でロービジョンケアが必要な場合には拡大鏡を使用する、屈折異常が原因であれば眼鏡やコンタクトレンズなどで矯正をしっかり行う、また網膜の中心が障害を受けて視力低下している場合は、中心より少し離れた網膜で物を見ていくようにします(中心外固視の練習)。視野異常による視覚低下であれば、凹レンズによる矯正で見える範囲を広げていきます。また通常の眼鏡にプリズムレンズを取り付けて視野を拡大させるといったことを行っていきます。羞明による視覚低下では、遮光メガネやサンバイザーなどの視覚補助具を使用していきます。また、移動のための補助具として白杖や盲導犬を使用するという場合も視覚リハビリテーションになります。

眼科で行う主なロービジョンケアは、視覚補助具の選定と処方、視覚補助具の使用訓練、視覚障害者手帳の申請、補装具の申請、福祉サービスに関する指導、他機関への紹介・連携といったものです。当院では遮光眼鏡、単眼鏡、拡大鏡の体験、生活便利グッズなどの体験もできますのでお気軽にお問い合わせください。